香りのパワー!香水がもたらす心理的・身体的効果とは? その3
実験でローズマリーの香りがする部屋で働く生徒は、記憶力テストで5%から7%良い結果を達成しました。ノーサンブリア大学のマーク・モス氏は、大人の検査結果と一致していると述べました。ローズマリーは何百年もの間記憶と関連付けられていたそうです。具体的にはシェイクスピアのハムレットでのセリフで「ローズマリーがあります、それは記憶のためです」というものもあるくらいだそうです。
テスト前や記憶力の向上にはローズマリーの香りがおすすめですね。
アメリカのホイーリングイエズス会大学では5日間、2時間おきに、ペパーミントの香りを嗅いでもらうという実験が行われました。その結果、被験者たちは空腹を感じることが減り、実験期間中のカロリー摂取量は、ペパーミントの香りを嗅がなかった時と比べて、減少しました。この結果からペパーミントの香りはダイエット効果があることが分かりました。
①公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ、東京都中央区)の実験によると、ローズオットー精油を垂らしたシールを襟元に付けて過ごすグループとローズ精油の代わりに水を垂らしたシールを付けて過ごすグループに分ける。一か月後ローズオットー精油をまとって過ごしたグループについては被験者本人の実感としての肌の潤い、ハリもアップしたそうです。
②公益社団法人 日本アロマ環境協会(略称:AEAJ)と長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 神経機能学の篠原一之教授と共同研究で40代の女性15人を対象にローズ、イランイラン、オレンジ・スイート、ゼラニウム、ジャスミンなどの10種類の精油を用い、女性ホルモン分泌量の変化について実験しました。すると、ローズとゼラニウムが唾液中の女性ホルモン(エストロゲン)濃度が有意に上昇
③慶応大学とノエビア化粧品の共同研究では、ローズアブソリュートはフェニルエチルアルコール(バラの香りの元、バラの香気成分のこと)が多く含まれる関係で、この成分が毛乳頭を活性化し、育毛剤の主成分として配合された商品が発売されました。
④モネル・ケミカル・センシズ・センターの研究では非喫煙者で健康的な、平均年齢25歳の18名を対象に、フィッシュオイルとローズオイルを成分とする、5種類の異なる濃度の香りをただよわせ、写真で呈示された女性の顔の魅力を測定するという実験がおこなわれました。実験に参加した人たちは、ローズオイルの成分が濃いほど、女性の顔の魅力を高く評価するという結果になったそうです。
ローズの香りは女性ホルモン分泌の上昇につながり、女性の魅力アップにつながり、自分の自信にもつながる効果があることが分かりました。
株式会社カネボウ化粧品本社の研究で男性と女性では、ドキドキする香りが違うことが証明されたそうです。ローズ、レモン、ムスク、タバコの4種類で実験した結果、男性はローズの香りに、女性はムスクの香りに魅力的を感じ易いという結果が出たとのことです。
女性が魅力的に思うムスクの香りは、元々は麝香鹿のオスの持つ器官から発せられる香りで、メス鹿を誘引するといわれているムスク(麝香)に端を発し、現在は最先端の精密有機合成技術で造られている重要なものです。その由来から、異性に対し何らの作用があるのではと研究もされてきていました。“ムスクの香り”を女性に継続して長期間使用してもらうと、観察できる特定の体内ホルモンのバランスが整えられ、結果的に肌もきれいになるという発表もあります。
このことから、男性がムスクをつけることで女性からの魅力が増す可能性があるとともに女性自体はホルモンバランスが整う可能性があるということが分かります。
そもそもアンバーというと香水が好きな方ではないと聞いたことがない方が多いと思います。アンバーは二つの種類があります。一つ目は植物アンバーグリス。日本でいう琥珀。二つ目は動物性アンバー。つまり、アンバーグリス。古くは「龍涎香」とも呼ばれ、マッコウクジラの腸にできる結石が原材料でした。現在は天然のアンバーを手に入れることは困難で人工アンバーを用いているとのことです。
①新潟⼤学農学部と国⽴科学博物館の共同研究グループでは、⾻代謝改善とアルツ
ハイマー病予防に働く可能性があるアンブレインのしい薬理活性を発⾒しました。
龍涎香の主成分でもあるアンブレインは破骨細胞の分化を促進することにより、骨代謝の改善が期待でるため⾻代謝改善が期待できるそうです。
また、アンブレインはアミロイドβタンパクによる神経細胞の死滅を抑制することが明らかになり、アルツハイマー病の予防薬が開発される可能性も出てきました。
この結果を見るとアンチエイジング効果がありそうな気がします。
②株式会社カネボウ化粧品による調査研究では、竜涎香に含有される主要香気成分のひとつであるテトラノルラブダンオキサイドについて心理・生理的評価を試み、この香気成分には、ストレスを軽減させるリラックス効果が期待できることとその香りをつけている人物の表情が他人から見て親しみやすい印象と評価される傾向があることを確認したそうです。
この他、中国では漢方薬として使っていたりアラビアでは媚薬として使っていたりしたそうです。