香水の歴史と文化
この記事では、香水の歴史と文化について探求します。古代エジプトから現代までの香水の変遷や、異なる文化での香水の使用法や象徴的な意味について解説します。読者は、香水の背後にある歴史と文化を深く理解することができます。
1.「はじまりは紀元前から」
そもそも、「香り」を表す「Perfume」はラテン語の「PerFumum」(煙によって立ち昇る)が語源であると言われています。火によって生じる煙は、香りとともに天に昇っていき、それがどこか、神と通じるものがあったそうです。
紀元前3000年頃の古代エジプトでは王様が亡くなると、その体に白檀、没薬(ミルラ)、シナモンなどの香料をたっぷりと塗っていたそうです。また暑いエジプトでは、人間の体を清潔な香りに保つ技術が非常に高く評価されていたそうで余裕のある人々は、個人的に香水を買い求めていたようです。
香りは、このように宗教的目的として、また権力を表す小道具として、人々を魅了する美容目的として使用されたのが、はじまりです。
2.「世界三大美女クレオパトラとバラの香り」
世界三大美女といわれるほどの美貌といわれるクレオパトラ。彼女は自分専用の香料工場を持っていたそうです。彼女が最も愛したのはバラの香りです。毎日バラの風呂に入り、バラにムスクなどの動物性香料をブレンドしたバラを油に漬け込んだ香油を体に塗り、バラの花を敷き詰めた上で毎晩眠っていたそうです。またカエサルやアントニウスというローマ帝国屈指の英雄たちを迎える際はバラの花びらを絨毯代わりに高さ敷き詰めさせたという話もありました。
3.「最古の香水」
中世になるとアルコールが用いられるようになりました。このアルコールベースの香水で、最も古い香水と言われているのが、ハンガリー王妃エリザベートのために作られたハンガリーウォーターです。エピソードとしては、70歳を越えたハンガリー王妃が手足のしびれで苦しんでいたところに、ハンガリーウォーターを献上したところ、たちまち状態が回復し美しさも取り戻したという記録が残されています。さらに、複数の王子から求婚もされたそうです。このハンガリーウォーターはローズマリーをブランデーとともに蒸留し、そこへラベンダー、レモン、ミント、セージ、マジョラム、ネロリ、ローズなどを加えて作ったものだそうです。別名若返りの香水。
4.「香水のはじまり」
16世紀末、ついに香水が世の中に広まりました。フランスの王アンリ2世に嫁いだ、カテリーナ・デ・メディチが持ち込んだといわれる香水がきっかけとされています。それは今も百貨店などで見かけるサンタ・マリア・ノヴェッラの香水です。イタリアフィレンツェにある最古の薬局サンタ・マリア・ノヴェッラでのカテリーナのために処方された香水は「L‘acqua della regina(王妃の水)」と呼ばれています。王妃の水は、カラブリアのベルガモットを主とするシトラスがベースのさわやかな香りのようです。現在も販売されているようなので、機会があればぜひ嗅ぎに行きたいと思っています。
6.「ルイ王朝時代」
ベルサイユ宮殿では王様や貴族、そして召使いなどは合わせると約4000人ほどいたそうですが便器の数274個と少なく排泄に間に合わないことが多々あったそうです。さらにペストが流行った関係で「お風呂に入ると疫病にかかる。流産や不妊症を引き起こす。」という噂も流れ、月1~2回、体を拭くだけで済ませていたそうです。当時、きつい体臭をごまかすために香水が重宝されていたそうです。また、香水はお清めの作用があると考えられていて厄を払い、病を癒すと信じられていたそうです。
7.「近代香水」
19世紀後半頃になると有機化学の研究が発達し、科学的な新素材を作り出すことに成功し、香水に関わる技術も進化を遂げていきました。合成香料の発明で、世界中で大量生産され、日本でも手頃な価格で香水が手に入るようになりました。
現在では、自然界に存在しない香り成分も創り出されるようになり、独創的な香水も数多く見受けられるようになりました。代表的な合成香料には、ムスク、アンバーなどがあります。これは天然香料として獲得することが困難なので、世にあるムスクとアンバーの香料は合成を使用されています。
8.まとめ
想像していたよりも早くから香りというものは存在し、重宝されてきたことが分かりました。私たちが授業などで教わってきた偉大なる歴史上の人物たちが香水と深くかかわりがあることも今回知ることができました。歴史上の人物たちと同じ香りや似た香りを嗅ぐことはできるので、より身近に感じることができると思います。
香水はオシャレやリラックス効果のためだけではなく、美容目的として、宗教的理由として、権力を表すものとして、体臭を隠すためなど様々な用途として使うことができます。
そして科学的な研究が進み、現代では様々な香りをより楽しむことができます。今、たくさんの種類の香水があるのは研究のおかげです。感謝をしつつ、自分の好みの香りをたくさん見つけられたらより人生が楽しく豊かになるのだろうと思います。